自衛官は定年が早い
自衛官は定年が早いというのを聞いたことがある方もいるでしょう。
実際には階級によって差はあるものの、1佐は56歳ですし、2佐・3佐は55歳、2曹・3曹ともなると53歳が定年です。
一方で、医師や薬剤師・音楽職種・警務職種といった仕事に携わる場合には60歳まで働き続けることになります。
自衛官というのは体が資本の職業のためあまり年齢が上がると体力がなくなってくることからです。
我々としても、60歳で老眼も入り始めたような方に日本を守ってもらうのは心配ですし、かわいそうな気もしますよね。
とはいえ、退職が早くなると、その分退職金の額にも差が出ますし、何より毎月のお給料がなくなるのは痛いところ。
50代というとまだ子供も完全に巣立ってはおらず、高校や大学の学費・よく食べるようになった子どもたちの食費など特にお金がかかる時期です。
そのため、ほとんどの自衛官はそのまま引退というわけではなく、再就職の道を探すようです。
就職を斡旋するための部署があります
普通の会社と違い、自衛隊の場合には、就職援護室という部署もあります。
自衛官の再就職を斡旋するための部署です。
自衛官として国を守るのは難しくても普通に仕事をする上ではまだまだ体力も十分な50代・それもずっと鍛えてきた方々ばかりですから、定年を迎えたとは言え十分働くことができます。
警備業界や建設業界・運転手などで働くという方が多いようです。
高級幹部まで勤め上げたような方であれば、企業の顧問などの道も開けています。
一般の自衛官の場合には天下りといったうまい汁を吸えるような再就職先というのはなく、退職金にプラスしてまだまだ稼ぎ出すためにも就職援護室で相談に乗ってもらいながらなんとか職場を見つけ出し、コツコツと働いているというのが現状です。
50代からということで、正社員として働く方はほんのわずかです。
ほとんどの方は、現役時代の半分以下の給料しかもらっていません。
もちろん、運がよければ現役時代と変わらない額で、退職金もあってと老後が安泰となるのですが、一般のサラリーマンほどではないにしてもこの不況の世の中でそれほどうまい話はないのです。
自衛官は資格を取っている
自衛官というと、災害の被災地にボランティアとして訪れたり、国を守ったり、それ以外はあらゆる事態に備えて訓練したり体力づくりしたりといった毎日を想像します。
ただ、実は在職中に資格を多く取る職業でもあるのです。
職種によって異なりますが、運転免許だけでも普通自動車免許はもちろんの事ながら、大型や大型特殊免許も取得します。
大型免許がある方ならトラック運転手として働くことも可能です。
大型特殊免許を持っているのであれば工事現場で活躍することもできます。
空軍出身者でヘリコプターなどのパイロットをしていたのであれば航空業界にて操縦士としての再就職の道も開けています。
准看護士や無線技術士・調理師・危険物取扱者などの資格もそれぞれ、医療の現場や携帯関係の下請け・レストラン・石油関係や製造業といくらでも選択肢は広がります。
もちろん、自衛官時代に取った資格とはまったく別のお仕事に就く方もいるでしょう。
もうすぐ定年という頃から通信教育講座などを利用して目指す職業に関係する資格を取るようにしてもいいでしょう。
やる気があればいくらでも道は開けてくるものです。
幹部自衛官の場合
幹部自衛官の場合には、在職中に取得できる資格はあまりありません。
操縦関係は部下たちに任せるので自身は免許が必要ないのです。
免許が必要となるような職種に就くことはできないのです。
ただ規律正しい中で仕事してきたことから礼儀がしっかりとしているため金融業や保険外交員といったお堅い企業には向いています。
幹部といえども54歳から56歳くらいで定年、まだまだ働きたいという方は多いのです。
将・将補といった上まで上り詰めると60歳定年です。
ただ、その後は何らかの良いポストが用意されているでしょうから、そのまま自然に再就職ということになりそうです。
天下りに近い習慣があるところも、存在するかもしれません。
若手からベテランまで皆、やめたあとは再就職というのが普通なのです。
定年前に退職する自衛官も多い
定年まで勤め上げるのが理想ですが、早いとされる定年よりももっと前に退職する自衛官が多いのも事実です。
お役所体質や体育会系の雰囲気・濃い人間関係が合わず、やめていくのです。毎日の訓練も楽にこなせる人もいればそうではない人もいます。
国家公務員のため給与も福利厚生も一般企業より安定しているでしょうが、精神的に安定した職業とは言えない部分があるのです。
もちろん、そうやってやめた人も再就職をしないと毎日の生活に困ることになります。
やはり就職援護の部署の手助けを借りることになるでしょうが、20代でやめて民間企業へという自衛官の多くは工業系の製造業や、トラック運転手などの道に進むという方が多いです。